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医療ガス設備・医療機器メンテナンス に関するよくある質問

停電した時、酸素の供給は止まりますか?
一般的に酸素供給のために電気は使用していないため、停電した場合でも酸素の供給は止まりません。しかし、電気を使用している警報装置(ガスの残量や送気圧力を監視・表示)が動作しなくなることが考えられます。
設備の状況などにもよりますので、詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
停電した時、吸引装置は稼働しますか?
日本工業規格(JIS T7101)医療ガス配管設備では、吸引装置の電源には商用電源とJIS T1022に規定される一般非常用電源を供給する様、規定されていますので、商用電源が停電した場合でも、非常用電源が正常に作動すれば吸引装置は正常に稼働いたします。(尚、古い施設や、JIS規格通り設置されていない施設など商用電源のみの供給の場合には停電した場合、装置は停止してしまいますのでご注意ください。)
断水した時、吸引装置は稼働しますか?
現在、医療ガス設備で使用される吸引装置には、水を必要とする水封式と水の必要が無い油回転式の2種類がJIS規格で規定されており、そのうちの水封式の吸引装置は、断水した場合、真空圧の供給(稼働)ができなくなります。(機種や使用状況によりますが、数分もしくは数日で供給ができなくなってしまいます。)
対策としまして、油回転式への更新、ポータブル式吸引器の備蓄などがあげられます。
何故、医療ガス設備の保守点検は実施しなければならないのですか?
保守点検は法的に義務付けされており、病院等が責任をもって実施しなければなりません。
厚生労働省医政局長発出の通知「医療ガスの安全管理について」(平成29年9月6日 医政発0906第3号)には「病院及び診療所における医療ガス(酸素、亜酸化窒素、治療用空気、吸引、二酸化炭素、手術機器起動用窒素等をいう。以下同じ)に関する構造設備(以下「医療ガス設備」という。)については、医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)第16条第1項第1号の規定に基づき、危害防止上必要な方法を講ずること」とされています。
医療ガス設備保守点検の頻度や回数は法的に定められていますか?
医療法施行規則第16条第1項第1号に基づく、厚生労働省医政局長発出の通知「医療ガスの安全管理について」(平成29年9月6日 医政発0906第3号)の(別添2)では、保守点検業務は始業点検、日常点検、定期点検からなり、各留意事項に留意して実施するよう記載があります。その中で、定期点検は点検作業の間隔について、チェックリスト(3か月点検、6か月点検、1年点検)の様式に準拠することとなっており、3ヶ月点検を年4回、6ヶ月点検を年2回、1年点検を年1回ということが明示されております。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
医療ガス安全管理委員会の構成、開催に規定はあるのですか?
厚生労働省医政局長発出の通知「医療ガスの安全管理について」(平成29年9月6日 医政発0906第3号)の(別添1)に、以下のように規定されております。
  • 委員会の構成:原則として、医師又は歯科医師、薬剤師、看護師、臨床工学技士及び医療ガスに関する構造設備の管理業務に従事する職員を含めること。また、麻酔、集中治療を担当する麻酔科医が常時勤務している病院等にあっては、原則として当該麻酔科医を委員に含めること。
    ※委員長の選任:委員長は、病院等における医療安全管理についての知識を有し、かつ、医療ガスに関する知識と技術を有する者の中から選任すること。
    ※実施責任者の選任:病院等の職員のうち医療ガス設備の正しい施工・取扱方法及び高圧ガスの誤接続の危険性について熟知し、医療ガスに関する専門知識と技術を有する者を任ずること。委員会は実施責任者を定め、委員会の委員に含まれること。
    ※外部の業者へ、保守点検業務の一部を委託または工事の施工を発注する場合、必要に応じて、当該業者を参考人として委員会に出席させること。
  • 委員会の開催:委員長は委員会を年1回定期的に開催するとともに、必要に応じて適宜開催すること。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
医療ガス安全管理委員会での、実施責任者と委員長の役割はなんですか?
役割については、厚生労働省医政局長発出の通知「医療ガスの安全管理について」(平成29年9月6日 医政発0906第3号)に定められております。
  • 実施責任者は、医療ガス設備の保守点検業務並びに医療ガス設備の新設及び増設工事、部分的な改造、修理等の施工管理業務を行う。
  • 委員長は、医療ガスの安全管理に係る業務の監督及び総括を行う責任者で、実施責任者による業務を指導及び監督する。
医療ガス安全管理委員会で選任される実施責任者には、どのような資格や研修が必要ですか?
基本的に資格制度はありません。ただし、厚生労働省医政局長発出の通知「医療ガスの安全管理について」(平成29年9月6日 医政発0906第3号)に以下のような記載があります。

実施責任者には、病院等の職員のうち医療ガス設備の正しい施工・取扱方法及び高圧ガス(特に酸素ガスと他の医療ガス)の誤接続の危険性について熟知し、医療ガスに関する専門知識と技術を有する者(高圧ガス保安法(昭和26 年法律第204 号)第28 条第2項に規定する特定高圧ガス取扱主任者等)を任ずること。

資格を義務づけるものではありませんが、実施責任者に対して、医療ガスに係る教育支援を継続的に行うことが大切です。講習会受講や資格取得をする事で、知識の醸成となりますので、以下をご参考下さい。
  1. 医療ガス安全管理者講習会(主催:医療機器センター)
  2. 高圧ガス第一種販売主任者(主催:高圧ガス保安協会)
  3. 医療ガス情報担当者MGR(主催:一般社団法人 日本産業・医療ガス協会)
  4. ホスピタルエンジニア(主催:一般社団法人 日本医療福祉設備協会)
※なお、液化酸素などを取り扱う施設様におかれましては、高圧ガス保安法での管理が別途必要となり、その際に資格(特定高圧ガス取扱主任者)が必要となります。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
吸引ポンプの音は小さくできますか?
吸引ポンプには消音器(サイレンサー)が設備してありますが、水分などで劣化する事があります。水封式ポンプの平均的騒音値は出荷時70~75dB、オイル式は60~80dB(機種及び設置環境により異なります)となります。これ以下の要求となりますと特別の消音器が必要になります。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
酸素は爆発するのですか?
酸素は物理的特性として、可燃性ではなく助燃性(支燃性)であり、物質が燃える(燃焼酸化する)ことを補助します。
酸素濃度が高くなると燃焼速度が速まり、爆発的に燃焼します。
また、有機物や可燃物が純酸素と接するとほとんどの温度、圧力で酸素を激しく反応し、爆発を起こす危険性がございます。使用にあたっては、次の事項に注意をしてください。
  • 使用設備から5m以内に火器および引火性もしくは発火性の物をおかない。
  • 揮発性可燃物との同時使用をさける。
  • 酸素を使用中、電気メス、レーザなどの可燃物の発火に注意する。
  • 使用に先立って、酸素供給設備のガス漏れ、その他異常のないことを確認する。
  • ボンベは直射日光を受けない場所に置く。
  • 容器置場の周囲2m以内に下記および引火性もしくは発火性のものを置かない。
  • 容器置場には作業に必要な用具以外の物を置かない。
  • 室温は常に40℃以下に保つ。
  • 容器置場には消火設備を設ける。

環境維持管理サービス に関するよくある質問

HEPAフィルターの交換サイクルを教えて下さい。
フィルタの交換時期は一般的には2-3年と言われております。
しかしながら、使用状況、環境により交換サイクルは変わってきますので、定期的な環境モニタリングを行い適正な交換時期をつかむ事が必要であると考えます。また、環境モニタリングをおこなうことで、フィルタ交換などのランニングコストの抑制や空調機能の変化をとらえ機能低下による感染を予防する対策を講ずることが可能になります。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
消毒業務の必要性を教えて下さい。(すぐ汚れるので意味がないのではという意見も)
目に見えない色々な菌に対抗する手段として私たちは、通常マスク・うがい・手洗いを励行しています。この常識の範囲内で防止できない健康弱者、特に手術前後の患者様に対し、あらゆる加害菌から守ることが求められます。そのため、空気・接触床、壁、天井や無影灯などの環境面が、手術部位感染の直接の原因となることはまれと言われておりますが、手術室等の環境面は人の手が直接ふれるものであるため、清潔に維持することが重要です。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
どのくらいの頻度で特殊清掃は行えばよろしいのでしょうか?
通常、水もしくは洗浄剤で清掃し、局部的に必要に応じて消毒をおこなっていただき、年に2回程度、手術室全体の高度な環境清掃を実施していただく事を推奨致します。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
洗浄機器点検に法的な根拠はありますか?
洗浄機関連の製品には、薬機法で定められた医療機器に該当する製品がございます。その様な医療機器は保守点検を必要とする製品があり、取扱い説明書や添付文書に点検時期や内容が記載されております。支障なく業務を遂行できるよう定期保守点検の実施を推奨いたします。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。

医療機器販売 に関するよくある質問

吸引器や湿潤器はMRI室でも使用できますか?
製品によっては、磁性体を使用した物がございます。ご使用前に製造メーカーにご確認をお願い致します。現在販売のセントラルユニ製品は非磁性体ではございますが、一部金属では、加工の際に極微弱ながら磁性を帯びることがございます。
ご使用にあたってはサンプル品を貸し出し致しますので、実機にてご確認の上ご検討下さい。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
無影灯の点検は何故必要ですか?
手術室等で使用される無影灯は、薬機法で定められた医療機器であり、特に保守点検が必要とされている「特定保守管理医療機器」です。「特定保守管理医療機器」は、医療機器のうち、保守点検、修理その他の管理に専門的な知識及び技能を必要とすることから、その適正な管理が行わなければ疾病の診断、治療又は予防に重大な影響を与えるおそれがあるものとして、厚生労働大臣が、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定されています。支障なく安全に使用する為に、装置の固定状態、アーム等のネジの緩み、樹脂部品などの劣化状態、照度や制御システムの確認を行ってください。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
LEDの寿命はありますか?
LEDは半導体そのものが発光するという特性上、白熱球のようにフィラメントが切れて点灯しなくなることはありません。しかし、LEDチップやチップを封止している樹脂などの素材が劣化することにより、使用とともに明るさが徐々に低下します。(光束減退)
セントラルユニが販売しておりますTRUMPF無影灯のLED寿命は、光束減退により光束維持率が80%(30,000時間)に低下した場合を寿命としています。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。

教育サポート に関するよくある質問

医療ガスの安全管理に係る研修は、実施しないといけないのですか?
厚生労働省医政局長発出の通知「医療ガスの安全管理について」(平成29年9月6日 医政発0906第3号)の(別添4)に、医療法施行規則第一条の11第1項第3号に基づく、職員研修に関する記載があります。
(別添4)の「医療ガスに係る安全管理の為の職員研修指針」では、病院等に共通する医療ガスに係る安全管理について、年1回程度定期的に開催するとともに、医療ガスに係る重大な事故等が発生した場合などに必要に応じて開催することと明記されています。
さらに、委員会は研修の実施内容(開催日時、出席者、研修項目等)について記録することと明記されており、教育の実施と開催日時・出席者・研修項目の記録が要求されます。
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
どのような勉強会を行っているのですか?
主に、医療ガス配管設備定期保守点検をお手伝いさせていただいております病院様を対象に、希望や現状に即した内容で、以下のような研修支援をさせていただいております。
  1. 酸素ボンベの正しい取扱いについて
  2. アウトレットの正しい取扱いについて
  3. 始業点検や日常点検について
  4. ヒヤリ・ハットや事故事例の紹介と対策について
  5. 医療ガス配管設備について
  6. 医療ガスの災害対策について
詳しくは最寄りの営業所までお問い合わせください。
医療ガス設備保守点検を適切に行わなかったため起きたヒヤリ・ハットや事故はありますか?
過去に起きた事例として、以下に挙げさせていただきます。
  • マニフォールド
    1. ガス漏れに気づかず必要以上のボンベ交換となった。
    2. 圧力調整器の異常により供給圧力が低下した。
    3. フィルターの目詰まりにより供給圧力が低下した。
  • 圧縮空気供給装置関係
    1. 装置の除湿機能低下のために配管に水分が混入し、使用していた医療器械が故障してしまった。
    2. 定期的なドレン抜きを怠りタンク内に多量のドレンが溜まった。
    3. コンプレッサーの定期的な整備を怠ったため、機械が停止してしまい危険な状態になった。
    4. 制御盤の定期的な整備を怠り、コンプレッサーの自動運転ができなくなり、供給に支障をきたした。
  • 吸引供給装置関係
    1. 吸引ポンプの定期的な整備を怠り、能力が低下し供給に支障をきたした。
    2. 逆止弁不良のため吸引タンクに水が逆流していた。
    3. 制御盤の定期的な整備を怠り、吸引ポンプの自動運転ができなくなり、供給に支障をきたした。
  • アウトレットバルブ関係
    1. パッキンの劣化によりアウトレットバルブからガス漏れが生じた。
    2. アウトレットバルブのリングカバーが古くなり色褪せたことで、色によるガス判別がしづらくなった。
    3. アウトレットバルブの劣化により、アダプターの着脱が硬くなってしまい、使用に支障をきたした。
  • 警報関係
    1. センサーの故障で供給圧力の異常を確認できなくなった。
    2. 警報盤の不備で、供給圧力の異常や空瓶を知らせるアラームが発報せず、酸素ガスを切らしてしまった。

厚生労働省医政局長発出の通知「医療ガスの安全管理について」(平成29年9月6日 医政発0906第3号)の指針や、各設備のメーカーによる保守点検遵守事項に基づき、適切に保守点検を行うことが、安全に安心して医療ガス設備を使用する事に繋がります。

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